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田中 秀剛(たなか しゅうご)

人と鳥との知恵比べ

バードストライクを回避できる唯一の職務

山下 秀剛私たちの仕事相手は、自然界の鳥たちです。海に面した羽田空港の周辺には、彼らのえさ場であり生活の場があります。そんな彼らを相手に、散弾銃を用いて空砲による威嚇や実包による駆除を行うのが私たちの業務。このため、私たちは銃の所持許可、狩猟免許、鳥獣捕獲許可等を持っており、安全第一に努めています。 ただ、これらの許可を持っていても、いつでもどこでも使えるわけではありません。散弾銃が使えない場所や時間帯では、煙火や大音響発生装置などを用いて音で威嚇します。このように鳥類防除業務は銃の取り扱い知識だけでなく、航空機や空港全体の知識も深めておく必要もあるのです。

  橘内 武詩

羽田空港では、3台のバードパトロール専用車が空港敷地内をくまなく、24時間体制でパトロールしています。基本的にはパトロール中の目視確認によって発見した鳥の追い払い等の防除作業です。また、パイロットや航空管制官・航空管制運航情報官からの要請で緊急的に出動することもあります。 業務室には鳥レーダー及び監視用モニターを設置し、万全の監視態勢をとっています。 自然が相手ですから1日に何度か出動することも。時間帯も昼夜問わず、夜間といえども越冬してきた鳥など空港沖に移り棲むと四六時中姿を現すのです。 季節が移り変われば鳥の種類も変わる。天候や時間帯でも違う。こうした情報を集めて統計をとっている。春夏秋冬を含め晴曇雨や昼夜、ある程度の予測はできるようになってきました。でも、やっぱり相手は自然。毎日が鳥と私たちとの知恵比べですね。

橘内 武詩  

仲間とのコンビネーションも大切

安全を第一に業務を遂行していきたい

橘内 武詩私たちの業務では2人1組のペアを組み、一人が銃を使用し、もう一人が見張り役として活動します。コンビネーションで業務を遂行しますから、二人の息を合わせることも大切です。ときに、航空機に接近して作業することもあります。飛行機にまとわりつくように飛ぶ鳥がいるのです。このような鳥はバードストライクを起こしやすいので、何とかして威嚇・駆除しなければなりません。普通の作業車でも入れないタクシーウェイ(誘導路)に管制官の許可をもらって入り、空砲で対応するといったこともしばしば。さまざまな局面に対応しています。

この業務のいちばんの目的は、バードストライクを未然に回避すること。パイロットでも自らの意思で鳥を回避して飛行することはできません。バードストライクを防ぐには、私たちが鳥を追い払うしかないのです。私たちの仕事が、航空機の安全運航を支えているという自覚をもって業務を遂行していること、それがこの仕事のやりがいだと感じています。一方で、銃の取り扱いには細心の注意を払っています。暴発など取り扱いを間違えると大きな事故につながりますので、危険物を扱っているという緊張感を常に持って出動しています。危険をともなう仕事ですから、常に安全を第一に業務遂行することを心掛けています。これから採用される方には、銃の安全な取り扱いはしっかり指導していきたいと考えています。もちろん、自分も注意して事故なく遂行していきたいですね。

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